なぜ米国のレシピは重さでなく体積で計量するのか
世界の多くの地域では、キッチンスケールを使って重さで量りますが、米国の家庭向けレシピは伝統的にカップやスプーンといった体積の単位で書かれてきました。デジタルスケールが家庭に普及するよりずっと前に、計量カップが標準的で安価な道具として定着していたためとされています。この習慣が今日まで続いており、体積計量のほうが精密さに劣るにもかかわらず、レシピ本やウェブサイトの多くが、いまも体積表記を使っています。
レシピを台無しにしてしまう失敗
黒砂糖を「ぎゅっと詰めた」カップ1杯と、詰めない1杯を混同したり、すり切りのつもりが山盛りになっていたりすると、思った以上に結果がずれます。特に重曹やベーキングパウダー、塩のような少量の材料は、もともとの比率が小さいぶん、ずれの影響を受けやすいので注意が必要です。もうひとつの典型的な失敗は、日本の200mLのカップで米国の1カップを量ってしまうことです。2割近く少ないため、生地が固くなったり、水分が足りなくなったりします。米国レシピには、200mLのカップではなく、約240mL(1カップ)の計量カップを使うのが確実です。
グラム表記に切り替える価値があるのはどんなときか
普段の料理であれば、体積の計量でも大きな問題は出ません。しかしパンや菓子づくりのように、粉と水分の比率が出来栄えを大きく左右する場合は、安価なキッチンスケールを使い、小麦粉・砂糖・液体をグラム単位で量ったほうが、はるかに安定した結果になります。スケールの上にボウルを置いて、ゼロリセット(風袋引き)をしながら材料を足していく方法なら、洗い物も減ります。
換算を間違えないためのコツ
最初に、そのレシピが米国式か、英国式か、オーストラリア式かを確認し、カップの容量を決めます。次に、温度は華氏か摂氏かを見て、華氏なら上の換算表で摂氏に直します。分量は、自分で計算し直すより、換算表やスケールを使うほうが誤りが減ります。2回の換算(グラムからカップ、カップからミリリットルなど)を重ねると誤差が積み上がるので、できる限り元の単位のまま量るのがおすすめです。
よくある質問
マグカップ1杯は、レシピの「カップ」と同じ量ですか?
いいえ。米国レシピの標準的な「カップ」は8液量オンス(約237mL、表示上は240mL)ですが、マグカップの大きさは製品によって大きく異なるため、正確な代用にはなりません。計量には、目盛り付きの計量カップを使ってください。
米国と英国・オーストラリアの大さじ(tablespoon)は同じ大きさですか?
異なります。米国の大さじは約14.8mL、英国は15mLでほぼ同じですが、オーストラリアの大さじは20mLです。オーストラリア式のレシピの大さじを日本の15mLのスプーンで量ると、約25%少なくなります。
バター1スティックは何グラムですか?
およそ113グラムです。1/2カップ、大さじ8杯、4オンスとも表せます。日本のバターで代用するときは、113gをキッチンスケールで量るのが正確です。
グラム表記のレシピをカップ表記に直すにはどうすればよいですか?
基本は、直さずにデジタルのキッチンスケールで量ることをおすすめします。どうしてもカップで量るなら、材料ごとの1カップの重さの目安で割りますが、すくい方でばらつくので、誤差が出ることを前提にしてください。
日本のオーブンでアメリカのレシピを焼くとき、温度はどうすればいいですか?
華氏を摂氏に換算し(350°Fなら約180℃)、庫内の温度計で実際の温度を確認すると安心です。家庭用オーブンは設定温度と実際の温度がずれることがあります。ファン付きの場合は、10から20度ほど下げ、焼き色を見ながら時間を調整してください。