主な文書ファイル形式の基礎知識

ひとくちに「文書ファイル」と言っても、ファイル形式によって適した用途は異なる。ここでは代表的な文書形式を整理する。

DOCX(および旧形式のDOC)

Microsoft Wordで使われる文書形式で、複雑なスタイル設定、画像、表、コメント、変更履歴などに対応している。何度も編集や共同作業を行う文書に向いているが、対応するソフトやフォントがインストールされていない環境で開くと、レイアウトが微妙にずれることがある。

PDF(ポータブルドキュメントフォーマット)

どの端末・OSで開いても表示がまったく同じになるように設計された形式で、正式な書類、契約書、履歴書、印刷用データなど「見た目どおりに伝える」必要がある場面でよく使われる。PDFの中身を直接編集するのは通常DOCXほど簡単ではないため、最終確定版のファイルを配布する用途に向いている。

TXT(プレーンテキスト)

最も基本的な文字情報だけを含み、フォント・色・画像などの書式設定には一切対応していない。ファイルサイズがきわめて小さく、ほぼすべての端末・ソフトでそのまま開けるため、コード、設定ファイル、書式にこだわらないメモの保存などに向いている。

RTF(リッチテキストフォーマット)

プレーンテキストとDOCXの中間に位置する形式で、太字・斜体・フォント・色といった基本的な書式設定に対応しつつ、DOCXよりも互換性が広い。かつては異なるワープロソフト間でやり取りするための互換フォーマットとしてよく使われていた。

ODT(オープンドキュメントテキスト)

OpenOfficeやLibreOfficeといったオープンソースのオフィスソフトでよく使われる、オープン標準の文書形式。書式設定・表・画像への対応などDOCXと似た機能を持つが、Microsoft形式にしか標準対応していないソフトで開く場合は変換が必要になることがある。

用途に応じた形式の選び方

複数人での編集や修正が今後も続く文書であれば、書式やコメントに対応したDOCXやODTが向いている。すでに完成していて表示や保管が目的であれば、PDFに変換することでソフトやフォントの違いによるレイアウト崩れを避けられる。書式を一切必要としない純粋なテキストであれば、TXTが最も軽量で互換性の高い選択肢になる。

形式変換で起こりやすい問題

DOCXからPDFへの変換は比較的安定していて、レイアウトもほぼそのまま保たれる。しかし逆にPDFを編集可能なDOCXに変換する場合は、PDFがそもそも「編集可能な構造」よりも「最終的な見た目」を重視した形式であるため、文字のずれや表の崩れが起きやすく、複雑なレイアウトの文書ほど変換時の誤差が出やすい。

よくある質問

正式な書類を送るときは、なぜDOCXよりPDFがよいとされるのか

PDFは異なる端末・OS、さらには異なるバージョンのソフトウェアであっても、ほぼ同じ見た目で表示されるためである。相手のパソコンに特定のフォントが入っていなかったり、別バージョンのOfficeを使っていたりしてもレイアウトが崩れにくく、確定版のファイルを外部に送る用途に向いている。

TXTファイルは重要な正式文書の保存に向いているか

基本的には向いていない。TXTは互換性が非常に高く、ほとんどの環境で問題なく開けるが、書式設定・画像・表にはまったく対応していない。コードやメモ、簡単な記録の保存には適しているが、正式な文書には通常、書式に対応したDOCXやPDFのような形式が必要になる。