主な圧縮ファイル形式の基礎知識

ダウンロードしたファイルには.zip、.rar、.7zなどさまざまな拡張子がついていることがある。一見似たような機能に見えても、圧縮率や互換性、使われる場面には実はそれぞれ違いがある。

ZIPは互換性が最も高い汎用形式

ZIPはほぼすべてのOSやファイル管理アプリが標準で解凍に対応している形式で、WindowsでもmacOSでも追加のソフトなしでそのまま開ける。これが長年デフォルトの圧縮形式として広く使われてきた最大の理由である。

RARは特定の場面で圧縮率が高くなることがある

RAR形式は特定の種類のファイルにおいてZIPより高い圧縮率を実現できることがあり、分割圧縮やリカバリーレコードといった機能にも対応している。ただしRAR形式で圧縮するには専用の有料ソフトが必要になることが多く、無料ツールの多くは解凍しかできず圧縮はできない。

7Zはオープンソースかつ圧縮率が高くなりやすい形式

7Z形式はLZMAなどの圧縮アルゴリズムをベースにしており、多くの場合ZIPやRARよりも高い圧縮率を実現できる。形式自体はオープンソースで無料だが、作成や解凍には7-Zipなどのサードパーティ製ツールをインストールする必要がある。

TAR.GZはLinux/Unix系でおなじみの「まとめてから圧縮」の組み合わせ

.tarはあくまで複数のファイルを1つにまとめる「アーカイブ」機能で、それ自体は圧縮しない。.gzはまとめた後に圧縮する処理を担う。つまり.tar.gzは「まずまとめて、次に圧縮する」という2段階の処理を組み合わせたものであり、これがLinux環境でよく見られる理由でもある。

「圧縮」と「アーカイブ(まとめる)」は別の概念

アーカイブ(TARなど)は複数のファイルを1つにまとめるだけで、サイズは小さくならない。圧縮(GZIPやZIP内部の圧縮アルゴリズムなど)は符号化によって実際にファイルサイズを減らす処理を指す。多くの形式はこの2つの機能を同時に備えているため、両者が混同されやすい。

一般的な圧縮ファイル形式はいずれも「可逆圧縮」

ZIP、RAR、7Zなどのファイル圧縮形式は、解凍すると元のファイル内容を完全に復元でき、データが失われることはない。これは、あえて多少の画質・音質を犠牲にしてファイルサイズを小さくするJPEGやMP3のような非可逆圧縮とは異なる考え方である。

多くの圧縮形式はパスワード保護に対応している

ZIP、RAR、7Zなどは圧縮時にパスワードを設定できることが多いが、暗号化の強度は形式やソフトのバージョンによって異なる。特に初期のZIPの暗号化方式は比較的解読されやすいとされているため、セキュリティを重視する場合は暗号化強度の高い形式を選ぶか、専用の暗号化ツールを別途使うことをおすすめする。

同じファイルでも圧縮形式によってサイズが変わる理由

圧縮形式ごとに採用しているアルゴリズムが異なり、繰り返しパターンやファイルの種類ごとの処理効率も異なる。たとえばテキストファイルは圧縮効果が高い一方、JPG画像やMP4動画のようにすでに圧縮されている形式のファイルは、あらためて圧縮してもサイズがほとんど変わらないことが多い。「とりあえず圧縮すればかなり容量を節約できる」というわけではない理由はここにある。

圧縮形式を選ぶ際に考えたい実用的なポイント

他人とファイルを共有する目的で幅広い互換性を重視するなら、ZIPが最も無難な選択肢になりやすい。自分だけで使い、より高い圧縮率を求めるなら、無料でオープンソースの7Zがよく使われる。Linuxサーバー環境で作業する場合は、TAR.GZおよびその派生形式が慣習的によく使われる形式である。

よくある質問

一部の圧縮ファイルは、なぜ別途ソフトをインストールしないと開けないのか

ZIP以外の形式(RARや7Zなど)の多くは、OSに標準搭載されているわけではないためである。7-ZipやWinRARといったサードパーティ製ソフトをインストールする必要があるが、こうしたソフトの多くは基本的な解凍機能であれば無料版でも利用できる。

圧縮ファイルは何度も圧縮を繰り返せばさらに小さくなるのか

ならない。一度圧縮されたファイルを再度圧縮しても、通常はそれ以上サイズが大きく縮むことはなく、むしろ圧縮形式自体のオーバーヘッドによってわずかにサイズが増えることさえある。繰り返し圧縮しても、継続的な容量削減効果は得られない。