CGNAT(キャリアグレードNAT)とは? ポート開放ができない理由

ポート開放を正しく設定したのに外部から接続できない場合、CGNAT環境である可能性があります。

CGNAT(キャリアグレードNAT)とは?

複数の契約者が1つのグローバルIPアドレスを共有できるよう、通信事業者(ISP)が自社網内に適用する大規模なNAT(アドレス変換)方式です。家庭用ルーターが自宅内の複数機器のプライベートIPをルーター1台のグローバルIPに変換するのと同じように、通信事業者も複数の契約者に割り当てたアドレスをもう一段、本当のグローバルIPに変換します。

なぜ必要なのか(IPv4アドレスの枯渇)

世界で割り当て可能なIPv4アドレスは約43億個と限られており、その大部分がすでに使い切られています。すべての契約者に個別のグローバルIPを割り当てることが難しくなった通信事業者は、CGNATを導入することで少数のグローバルIPでより多くの契約者を収容しています。

CGNAT環境で見られる代表的な症状

自宅の監視カメラやNASに外部からアクセスするためルーターでポート開放を設定しても機能せず、一部のオンラインゲームでNATタイプが「厳格(Strict)」と表示されて他のプレイヤーとのマッチングがうまくいかない、というのが典型的な症状です。

自分がCGNATを使っているか確認する方法

検索エンジンで「自分のIP確認」と検索して出てくるグローバルIPアドレスと、ルーターの管理者ページのステータス(WAN)画面に表示されたIPアドレスを比較してみましょう。2つのアドレスが異なる場合、通信事業者側の区間でもう一段アドレス変換が行われているCGNAT環境である可能性が高くなります。

家庭用NATと何が違うのか

家庭用ルーターのNATは自宅内の複数機器がルーター1台のグローバルIPを共有できるようにしますが、そのグローバルIPはあくまで自分の回線だけの固有アドレスです。CGNATはそこからさらに一段進んで、その「グローバルIP」のように見えるアドレスすら通信事業者内で他の契約者と共有している構造です。

解決方法

通信事業者に固定グローバルIP(専用線や別オプション)を申し込む方法や、IPv6に対応していればIPv6アドレスで外部接続を構成する方法があります。急ぎで外部接続だけが必要な場合は、DDNSとクラウド中継サービス、VPNを利用した回避方法も広く使われています。

ガイドどおり設定してもポート開放ができない場合

ポート開放ガイドに沿ってNASや自宅カメラの外部接続用ポート開放を設定してもうまくいかない場合、ルーター設定を何度も見直す前に、通信事業者側のCGNATの有無を確認するのが順序です。

オンラインゲームのNATタイプが気になる場合

コンソールやPCゲームでNATタイプがマッチングに影響している場合は、ゲーム用NATタイプガイドもあわせて確認して、CGNAT対策と並行して試してみましょう。

よくある質問

CGNATを使うとインターネット速度は遅くなりますか?

CGNAT自体が通常のWeb閲覧やストリーミング速度に大きな影響を与えることはありません。ただし、外部から自分の機器に直接接続する必要のあるサービス(ポート開放、一部のP2P型ゲームマッチングなど)で問題が生じることがあります。

通信事業者に問い合わせればすぐCGNATを解除してもらえますか?

通信事業者やプランによって異なります。一部の通信事業者は追加オプションや別商品として固定グローバルIPを提供しているため、カスタマーセンターに問い合わせて可否と費用を確認するのが確実です。