CAGR(年平均成長率)とは:計算式が示す本当の意味

CAGRはたった一つの問いに答える指標です。「もし投資が毎年一定の割合で成長し続けたとしたら、その割合はいくつだったか?」計算式とその意味を見てみましょう。

計算式:(最終評価額 ÷ 初期投資額)^(1/年数) - 1

最終的な金額を最初の金額で割った比率を、年数分の1乗にしてから1を引く。この結果をパーセントで表したものがCAGR。

年ごとの変動をならして1つの数字にする

CAGRは開始時点と終了時点、その間の年数だけを見ており、その途中の道のりが滑らかな右肩上がりだったか、激しい乱高下だったかは一切考慮しない。

単純な年間リターンの平均とは異なる

例えばある年が+50%、翌年が-50%だった場合、単純平均では0%になるが、実際の結果は(1.5×0.5)-1で計算される25%の損失。複利の効果を正しく反映するCAGRと、それを反映しない単純平均とでは全く異なる数字になる。

異なる期間の投資を比較するのに役立つ

3年間の投資と7年間の投資を「1年あたり」という同じ基準で比較できるようにしてくれる指標で、単純な合計リターン(%)ではこうした公平な比較はできない。

具体的な計算例

元本1万ドルが5年後に1万6千ドルになったとします。CAGR = (16000 ÷ 10000)^(1/5) - 1 = 1.6^0.2 - 1 ≈ 9.86%。ここで重要なのは、これは「毎年ちょうど9.86%ずつ成長した」という意味ではないということです。実際にはある年は+30%、別の年は-10%だったかもしれませんが、仮に一定の9.86%の年間成長率だったとしたら同じ最終結果になる、という意味を表しています。

CAGRだけでは誤解を招くことがある理由

CAGRは開始点と終了点の2つのデータしか使わないため、その間に経験した変動やドローダウン(下落)を完全に無視します。全く同じCAGRを持つ2つの投資でも、途中の道のりは全く異なるリスクプロファイルだった可能性があります(一方は安定していて、もう一方は途中で40%下落してから回復した、など)。そのためCAGRは単独ではなく、ボラティリティやリスクの指標と合わせて見るべき数字です。

よくある質問

広告などで見る「年率換算リターン」や「平均年間リターン」とCAGRは同じものですか?

「CAGR」と「年率換算リターン」は一般的に同じ複利計算に基づく数値を指します。一方「平均年間リターン」が各年のリターンの単純な算術平均を意味している場合は別の数字であり、+50%/-50%の例のように、値動きの荒い投資ではより実際より良く見せてしまう、誤解を招きやすい数字になりがちです。

CAGRはマイナスになることもありますか?

あります。最終的な評価額が最初の投資額を下回っていれば、計算式はマイナスのパーセンテージを返し、その期間全体を年率換算した損失を正しく反映します。