事業の共同経営契約書に盛り込んでおきたい項目

信頼できる相手との共同経営であっても、書面での契約が不要になるわけではありません。むしろお金や意思決定が絡むからこそ、明確な契約書の重要性は増します。これは一般的な情報であり、法律上の助言ではありません。実際の契約書の作成や見直しは、弁護士や地域の法律相談窓口に依頼することをおすすめします。

書面での契約が重要な理由

共同経営には出資割合、役割分担、利益の分配方法など、お金に直結する事項が数多く含まれるため、どれだけ親しい間柄でも、口頭での約束は後になって食い違って記憶されがちです。契約書にしておくことで、実際にどんな合意があったのかを、関係がこじれたときに立ち返る根拠として残せます。

出資内容とその評価額を明記する

現金だけでなく、不動産、設備、専門知識、労務などさまざまな形で出資することがあり得ます。誰が何を、いつ、どのように評価して出資比率に反映するのかを明確にしておかないと、あとで「自分の方が多く出した」といった食い違いが生じやすくなります。現金以外の出資については、市場価格や見積書など客観的な根拠と合わせて評価額を残しておくとよいでしょう。

損益の分配方法を決めておく

出資比率と損益の分配比率は必ずしも一致させる必要はありません。たとえば出資額は少なくても実務を主に担うパートナーに、より高い利益配分を認める合意も可能です。重要なのは、利益が出たときだけでなく、損失が出たときに誰がどれだけ負担するかも事業の初期段階で決めておくことです。

意思決定の権限を定める

日常的な支出などは代表となるパートナーが単独で判断できるようにし、借入や外部からの投資受け入れ、一定規模以上の採用など事業に大きな影響を与える判断については全員の合意を必要とするといった基準を、あらかじめ具体的な金額や範囲で決めておくと、あとの曖昧さを避けられます。

競業避止条項を検討する

パートナーの一人が顧客関係やノウハウを持ち出して個人的に類似の事業を始めた場合、残ったパートナーに大きな損害が生じることがあります。これを防ぐため、共同経営を続けている間はもちろん、脱退や契約終了後も一定期間(1〜2年など)は同種の事業を営まないとする条項を設けるケースが多くあります。

脱退・解散の手続きを決めておく

パートナーの一人が個人的な事情で脱退する場合の持分の評価方法や精算方法、残りのパートナーがその持分を優先的に買い取れる権利を持つかどうか、事業自体を畳む場合の資産・負債の整理方法などを、あらかじめ合意しておく必要があります。こうした取り決めがないと、関係が悪化したときに脱退や清算の手続き自体をめぐって新たな対立が生まれかねません。

紛争解決の方法を決めておく

パートナー間の意見の相違が自分たちだけでは解決できない場合に、訴訟の前に調停や仲裁を利用するかどうか、最終的に訴訟になった場合にどの裁判所を管轄とするかを契約書に明記しておくと、手続きをめぐる余計な対立を減らせます。

必要な内容は状況によって異なる

契約書に実際に何を盛り込む必要があるか、どの程度の厳密さが求められるかは、共同経営の法的な形態や事業の規模、業種によって大きく異なります。二人だけの小さな副業と、外部から資金を調達する事業とでは、必要な詳細度がまったく違います。

これは一般的な情報であり、法律上の助言ではありません

共同経営に関する法律、必要な届け出、競業避止条項のような特定条項の有効性は、国や地域によって大きく異なります。契約書に署名する前、またはすでに紛争が生じている場合は、弁護士や地域の法律相談窓口に内容を確認してもらいましょう。

よくある質問

単純にするため、すべて半分ずつにしてもよいですか?

可能ですが、均等な分配がうまく機能するのは出資や労力が実質的に同等な場合です。一方が明らかに多くの資金や時間、専門知識を提供しているのに均等に分けると、後々の不満の原因になりやすいため、結果的に均等分配を選ぶとしても、一度きちんと話し合っておく価値があります。

契約書の作成に弁護士は必要ですか?

法律上必ず必要というわけではありませんが、まとまったお金や持分、借入が絡む場合は強くおすすめします。弁護士に相談すれば、届け出義務や特定の条項に関する制限など、テンプレートの契約書だけでは見落としがちな国や業種特有の論点も指摘してもらえます。