バッファブロートとは?ゲームと通話だけが不安定になる理由

速度テストでは問題なしと出るのに、ゲームやビデオ通話だけ不安定になる本当の理由と、その解決策を紹介します。

バッファブロートの症状

速度テストでは契約通りの速度が正常に出ているのに、同じ回線を使う別の端末が大容量のアップロードやダウンロードを行っている間だけ、オンラインゲームのpingが跳ね上がったり、ビデオ通話の音声や映像が途切れたりする現象です。

原因は大きすぎるバッファ

モデムやルーター、通信キャリアの機器には、瞬間的に集中するデータを一時的にためておく「バッファ」という領域があります。このバッファが必要以上に大きく設定されていると、回線が混雑したときにデータがバッファの中で順番待ちをすることになり、遅延(レイテンシ)が数百から数千ミリ秒まで跳ね上がることがあります。

速度(スループット)と遅延は別の指標

速度テストが測る最大スループット(Mbps)と、ゲームや通話の体感品質を左右する遅延(ms)は別の指標です。バッファブロートの特徴は、最大スループットはそのままに、回線に負荷がかかったときの遅延だけを大きく悪化させる点にあります。

診断する方法

通常の速度テストではわかりません。「負荷時のping(loaded latency)」を専用に測定するツールを使い、平常時のpingとアップロード・ダウンロードが同時に走っているときのpingの差を確認します。この差をA〜Fといった評価で表示する専用のバッファブロートテストツールもあります。

解決策:SQM(スマートキュー管理)

最新のルーターやOpenWrtなどのオープンソースファームウェアにあるSQM(Smart Queue Management)機能、あるいはCAKEやfq_codelといったキュー管理アルゴリズムを有効にし、帯域上限を回線の実速度よりわずかに低く設定すると、ルーターがトラフィックの送信順序を自ら調整し、バッファが過剰にたまるのを防いでくれます。

自分のルーターでSQMを有効にするには

ルーターの管理画面で「ネットワーク」や「詳細設定」タブの中にある、QoS・SQM・「スマートキュー管理」といった名前のメニューを探します。見つけたら、アップロードとダウンロードの帯域上限は、契約プランの表示速度ではなく、実測した速度の85〜95%程度に設定するのがポイントです。この少しの余裕があることで、ルーターが実際にキューを管理できるようになります。現在のルーターのファームウェアにこのメニュー自体がない場合は、OpenWrtのようなオープンソースファームウェアを導入するか、最新のキュー管理アルゴリズムを搭載したルーターに買い替えるのが確実な解決策です。

pingとゲーム機のマッチング問題も関連していることがある

バッファブロートとは切り離して純粋な遅延を確認したい場合は、近くにあるよく知られたサーバーへの基本的なpingテストを行うと、負荷時のping結果と比較するための平常時の基準値がわかります。ゲーム機特有の問題として、NATタイプが制限的な場合、バッファブロートが原因でなくてもマッチングが成立しにくい、他のプレイヤーと接続できないといった似た症状が出ることがあります。キュー管理を改善してもマッチングの問題が続く場合は、次にゲーム機のNATタイプの設定を確認するのが理にかなっています。

よくある質問

もっと速いインターネットプランに変えれば解決しますか?

スループットを上げれば回線が混雑する頻度は減るのである程度の緩和にはなりますが、根本原因である「大きすぎるバッファ」自体がなくなるわけではありません。SQMのようなキュー管理設定のほうが直接的な解決策です。

ルーターを買い替えなくても解決できますか?

最新のルーターの一部は特別な設定なしでも最新のキュー管理アルゴリズムが標準で有効になっていますが、古いルーターや通信キャリア支給のモデムにはSQM機能自体がないことが多いです。その場合は、SQMに対応したルーターへの買い替えや、対応するオープンソースファームウェアの導入が現実的な解決策になります。