ブルーゾーンとは
研究者ダン・ビュイトナーとナショナルジオグラフィックの研究チームが、世界で90歳、100歳以上の長寿人口の割合が特に高く見られる地域を調査してつけた名称です。地図上でその地域を青い円で表示したことから「ブルーゾーン」という名前が生まれました。最初に選ばれた5つの地域が広く知られており、共通して食習慣、身体活動、コミュニティ文化などで似た特徴が観察されると紹介されてきました。
沖縄(日本)
「生きる理由」を意味する生きがいという概念と、野菜・豆腐中心の伝統的な食事、モアイと呼ばれる結びつきの強い近隣コミュニティ文化で知られています。年を取っても家庭菜園を手入れしたり地域の集まりに参加したりするなど、活動的な生活を続ける高齢者が多い点が特徴とされています。
サルデーニャ島バルバジア地方(イタリア)
山岳地帯での牧畜業によって自然と身体活動量が多い生活、結びつきの強い家族中心の文化、適量の赤ワイン(カンノナウ)を添える食習慣が特徴として紹介されています。険しい地形のおかげで、毎日歩いたり上り下りしたりする活動が日常に自然に組み込まれており、男性の長寿人口の割合が特に高い地域として複数の研究で取り上げられてきました。
ニコジャ半島(コスタリカ)
「人生の計画」を意味するプラン・デ・ビダという人生の目的意識、トウモロコシと豆を一緒に食べる伝統的な食事、強い大家族の絆が特徴として挙げられます。経済的に豊かではない地域であるにもかかわらず、比較的ストレスが少なく、コミュニティによる支援がしっかりしている点が、長寿と関連する要因としてよく言及されます。
イカリア島(ギリシャ)
地中海式の食事、昼寝をする生活習慣、急がずゆったりとした生活リズム、隣人とよく交流する結びつきの強い地域コミュニティ文化で知られています。島という特性上、外部との交流が限られていた歴史から、伝統的な生活様式が比較的長く維持されたという点も併せて語られます。
ロマリンダ(米国カリフォルニア州)
セブンスデー・アドベンチスト教会の信者が多く暮らす地域で、菜食中心の食事と、週に一日を完全に休む安息日の文化が特徴として挙げられます。ここまで紹介した4つの地域とは異なり、現代的な大都市圏に位置する点で、信仰コミュニティの生活習慣そのものが長寿に与える影響を示す事例としてよく言及されます。
ブルーゾーンで共通して観察される特徴
研究者たちは、自然な身体活動、野菜中心の少食習慣、人生の目的意識、家族・コミュニティ中心の人間関係、適切なストレス解消のルーティンなどを共通の要因として挙げてきました。ただし、ブルーゾーンという概念は大衆書やドキュメンタリーを通じて広く知られるようになったもので、一部の学者は特定地域の高齢人口統計そのものの正確さ(出生記録の誤りや年金関連の申告の問題など)に疑問を呈することもあります。興味深い参考事例として受け止めつつ、絶対的な正解として拡大解釈しすぎないのがよいでしょう。