オルポートの特性論を3段階でまとめて理解する

一人の人間への影響力の大きさによって分かれる主特性・中心特性・二次的特性を見てみましょう。

主特性(Cardinal Trait)

その人の人生全体を支配するほど強力な、たった一つの特性です。特性を影響力の大きさによって3階層に分けたゴードン・オルポートは、これほど圧倒的な主特性を持つ人は非常にまれだと考えました。

中心特性(Central Trait)

ある人を説明する際によく挙げられる、5〜10個程度の中核的な特性です。推薦状や紹介文で「まじめだ」「親切だ」「ユーモアがある」といった表現で語られるものは、おおむね中心特性に該当するとされます。

二次的特性(Secondary Trait)

特定の状況でのみ現れる、比較的目立ちにくく一貫性の弱い特性です。普段の性格とは異なり、特定の食べ物を極端に嫌う、初対面の人の前でだけ緊張するといった反応がこれに当たります。

個人的特性(Personal Disposition)

全員に共通して当てはめる「共通特性」とは異なり、その人だけに固有に現れる特性の概念です。オルポートは、複数の人を比較するための「共通特性」と、その人独自の組み合わせで現れる「個人的特性」を区別し、本当の個性を理解するには共通特性による序列づけよりも個人的特性に注目すべきだと強調しました。

オルポートの特性論とは

米国の心理学者ゴードン・オルポートは、1937年の著書『パーソナリティ:心理学的解釈』の中で、特性を「多様な刺激に対して似たような反応を引き起こす、個人の神経心理学的構造」と定義し、性格特性研究を学問的に体系づけた初期の人物の一人と評価されています。彼は人の行動に及ぼす影響力の大きさによって、特性を主特性・中心特性・二次的特性の3階層に分けました。

現代の性格心理学ではどう評価されているか

オルポートの特性論は、その後のレイモンド・キャッテルによる因子分析研究、そして今日最も広く使われるビッグファイブ・モデルへとつながる、特性心理学の出発点として評価されています。ただし主特性・中心特性・二次的特性という階層区分自体は、統計的に検証された因子構造というよりオルポートが提示した概念的な分類に近く、現代の研究では大規模データで検証されたビッグファイブのようなモデルが標準として使われています。

よくある質問

主特性を持つ人は実際にいるのですか?

オルポート自身も、人生全体を支配するほど強力な主特性を持つ人は非常にまれだと考えていました。歴史上の人物のあだ名(例えば「マキャベリ的な人物」)に例えて説明されることが多く、大半の人はいくつかの中心特性の組み合わせでより適切に説明できるとされています。

ビッグファイブとはどんな関係がありますか?

オルポートとオドバートが辞書から性格を表す言葉を数千語抽出した語彙研究(レキシカル・アプローチ)が、その後複数の学者による因子分析を経て、今日のビッグファイブ5因子モデルへと発展する重要な土台になったと評価されています。