換気回数(ACH)の計算方法を解説

「換気回数(ACH)」は専門用語に聞こえますが、部屋の容積と機器の風量さえわかれば、計算式自体はシンプルです。

基本の計算式:風量÷部屋の容積×60

ACH=(換気扇や空気清浄機の1分あたり風量÷部屋の容積)×60。1時間あたり100立方メートル(㎥/h)の風量を持つ機器を25㎥の部屋で使う場合、100÷25=4ACHとなり、理論上1時間に4回、部屋の空気が入れ替わる計算になります。

部屋の容積の求め方:縦×横×高さ

部屋の縦・横・高さ(単位をそろえて)をかけ合わせると容積が求められます。縦4m×横5m、天井高2.4mの部屋なら4×5×2.4=48㎥です。計算に必要なのは床面積ではなく、この容積の数字です。

CMHとCFMは単位が違うだけで同じものを表す

日本や多くの国では1時間あたりの立方メートル(㎥/h、CMH)がよく使われますが、アメリカなどでは1分あたりの立方フィート(CFM)がよく使われます。CFMを㎥/hに換算するにはおよそ1.7倍、逆に㎥/hをCFMにするにはおよそ1.7で割ります。

部屋の種類ごとの目安ACH

一般的な居室や寝室はおよそ2〜4ACHが目安とされることが多く、湿気やにおい、調理の副産物が発生するキッチンや浴室はより高い6〜15ACH程度が目安とされることが多いです。実験室や病室などの特殊な空間では、規定によりさらに高い換気回数が求められる場合もあります。

ACHは高ければ高いほど良いわけではない

換気回数を過度に高くすると、空調・フィルターを通す空気量が増えて電気代がかさみ、ファンの動作音も大きくなり、体感的に「すきま風」のような不快感を生むこともあります。換気の目標値は空気質の必要性と快適さ・電力消費のバランスを取って設定されるものです。

実際の風量はカタログ値より低いことが多い

換気扇や空気清浄機のカタログ記載の風量は、ダクトの抵抗やフィルターの目詰まりがない理想的な条件で測定されていることが多く、実際に使用する環境でのACHはカタログ値から計算した数字より低くなりがちです。特にフィルターが汚れてくるとさらに低下します。

風量の数字だけを比べても意味がない理由

大きな倉庫に設置した強力な換気扇と、同じ換気扇を小さな収納スペースに設置した場合とでは、ACHの値はまったく異なります。計算式が風量を部屋の容積で割るものである以上、CFMや㎥/hといった風量の数字だけを見て機器同士を比較するのは、実際に使う空間の広さを無視した誤解を招きやすい比較方法です。

ACHは理論上の平均値であり、完全な空気入れ替えを意味しない

ACH4という数字は、部屋の空気分子がちょうど15分ごとにすべて入れ替わるという意味ではありません。実際の空気の流れは家具の配置や吹き出し口の位置によってムラがあり、早く入れ替わる場所もあれば遅い場所もあります。ACHはあくまで比較のための平均的な目安として理解するのが適切です。

よくある質問

寝室として「良い」とされるACHの目安はどれくらいですか?

一般的な居室・寝室ではおよそ2〜4ACHがよく挙げられる目安ですが、正確な推奨値は建築基準や気候、機械換気か自然換気かによって変わります。

ACHが高ければ空気がきれいになるのですか?

必ずしもそうとは限りません。ACHは空気がどれだけ頻繁に入れ替わる・循環するかを示す数値であり、その機器自体のろ過性能を表すものではありません。本格的なフィルターを持たない高ACHの扇風機と、真のHEPAフィルターを備えた低めのACHの空気清浄機とでは、実際の空気質にはっきりとした差が出ることがあります。