成年後見の申立て方法:後見と保佐の違い

本人が自分の事務を十分に処理できなくなった場合の成年後見制度について、適切な種類の選び方から結果の登記までを解説します。

  1. 後見と保佐の違いを理解する

    後見は、病気や障害、加齢などにより事務処理能力が継続的かつ著しく欠けている人のための制度で、保佐は事務処理能力が不足している程度の人のための制度です。後見人・保佐人に与えられる代理権の範囲も異なります。

  2. 申立てができる人を確認する

    本人、配偶者、一定の範囲内の親族、検察官、地方自治体の長などが、家庭裁判所に後見開始の審判を申し立てることができます。

  3. 必要書類を準備する

    後見開始審判申立書、申立人と本人双方の戸籍関連証明書、診断書(場合によっては精神鑑定が必要)、財産目録などを準備します。

  4. 家庭裁判所の審理手続きを経る

    裁判所は本人の面接、精神鑑定、後見人候補者の調査などを経て、後見を開始するかどうか、そして誰を後見人とするかを決定します。通常、数か月かかることがあります。

  5. 後見登記事項証明書で確認する

    後見開始の審判が確定すると、一般の戸籍とは別の後見登記簿に登録され、その後は後見登記事項証明書によって後見の内容を証明できます。

後見制度は本人の実際の必要度に応じて設計されている

後見と保佐が区別されているのは、判断能力の低下が『あるかないか』の二択ではないからです。大きな財産上の判断には助けが必要でも日常生活は自分でこなせる人が、法的な権利をすべて失うべきではありません。保佐はまさにその隙間を埋めるための制度です。

裁判所の手続きが慎重に進むのには理由がある

後見を開始することは、本人から相当程度の法的な自律性を奪うことを意味します。だからこそ家庭裁判所は、本人への直接の面接、医学的な鑑定の実施、後見人候補者の適格性の確認など、慎重に手続きを進めるのが一般的です。

よくある質問

申立てをした家族が自動的に後見人になれますか?

いいえ。誰が後見人になるかは家庭裁判所が案件を審理したうえで決定するもので、申立てをした人が必ず後見人になるとは限りません。裁判所は本人の利益に最も適した人物を優先します。

精神鑑定は必ず必要ですか?

常に必要というわけではありませんが、特に判断能力の程度に不明確な点がある場合には裁判所が命じることが多く、後見と保佐のどちらにするかを判断するうえで重要な役割を果たします。