加速度・G(重力加速度)単位ガイド:m/s²・g・ft/s²・Gal

加速度は分野によっていくつもの単位で表されます。それぞれの関係を整理しました。

m/s²:加速度のSI基本単位

1秒あたりに速度がどれだけ変化するかを表すSI基本単位で、世界中の物理学・工学分野で標準的に使われています。

g:重力加速度を基準にした単位

gそのものはSI単位ではなく、標準重力加速度9.80665m/s²を基準にした目安の単位です。「3G」と言えば、地上でじっとしているときの3倍の加速度を体感するという意味になります。

ft/s²とGal

ft/s²はm/s²のインペリアル版で、主に米国の工学分野で使われます。Gal(ガル、1cm/s²に相当)はガリレオにちなんだ小さな単位で、ほぼ地球物理学や地震学の分野に限って重力・地震の加速度を測るために使われます。

身近な目安

静止している状態は1G、急ブレーキで0.5〜1G程度、ジェットコースターでは3〜5G程度に達することがあり、戦闘機パイロットは耐Gスーツなしでは失神しかねない約9Gの持続的な力に耐える訓練を受けます。

G(体感加速度)と重力そのものの違い

Gは実際に感じる加速度を表すもので、重力そのものとは異なります。軌道上の宇宙飛行士は自由落下状態にあるため重力を受けていてもほぼ無重力(0G)を体感し、逆に平地を加速する車の中では重力そのものは変わらなくてもGを感じます。

gが便利な基準である理由

誰もが日常的に経験している「地面に立っている状態」を基準にできるため、m/s²のような抽象的な数値よりも直感的に加速度の大きさを比較できます。

なぜgが便利な略記として定着したのか

標準重力は誰もが生涯を通じて直接体験している一定の基準であるため、m/s²のような抽象的な数値よりも圧倒的に直感的な単位になります。航空宇宙や自動車工学の分野でgが採用されたのは、ロケット打ち上げや衝突試験、戦闘機の旋回といった馴染みのない加速度を、自分の体重という具体的な感覚と比較できるようにするためです。

Galが今も専門分野で使われる理由

ガリレオにちなんで名付けられたGalは、他の分野では置き換えられたCGS単位系の遺産ですが、地球物理学の分野では地震学者や重力測定の研究者が何十年分もGalやミリGal単位で記録してきた膨大な過去データがあるため、単位を切り替えると過去のデータとの比較が難しくなることから今も使われ続けています。

よくある質問

軌道上では無重力なのに、打ち上げ時になぜ「G」の話をするのですか?

打ち上げ時と軌道上は異なる段階だからです。打ち上げ中はロケットの加速によって宇宙飛行士は座席に押し付けられる実際のGを感じ、時には3G以上に達することもあります。安定した軌道に入ると、機体は地球の周りを絶え間なく自由落下している状態になるため、重力自体は働いていても無重力のような感覚になります。

G(体感加速度)は重力と同じものですか?

いいえ、異なります。重力は地球に向かう一定の引力ですが、Gは実際に体が感じる加速度で、運動状態によって変化します。車が急旋回すれば重力自体は変わらなくても強いGを感じますし、自由落下や軌道上では重力が働いていても無重力を感じることがあります。